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板橋めぐみ

乳がん後の新たな選択肢、“人工乳房”って何? 

Mウーマンネットでは、メディアで働く女性を対象に 大人の社会科見学と称して、注目の企業に伺っています。 今回訪問したのは、「ブレストケア京都」という オーダーメイドの人工乳房や乳房パッド、人工乳頭を製作する会社です。


お話を伺ったのは、林かおり社長とチーフマネージャーの三輪稚恵さん。 会社設立のきっかけは、 林さんのお母さまが乳がんで乳房を失い お母さまのために人工乳房の製作技術を学んだことだったとか。 乳房をなくして悩んでいらっしゃる女性の声に応え 2014年に人工乳房を製作する会社を立ち上げ、 さらには人工乳房の製作者を養成するスクールも行なっています。 チーフマネージャーの三輪さんはご自身が乳がん経験者。 最初はスクールに通ってご自身用の人工乳房を作り、 今ではプロの製作者として活躍されています。

乳がんは女性が罹患するがんの第一位。 一方で他のがんに比べて亡くなる割合が低いがんでもあります。 つまりは胸を失った後にも人生が続くということ。 この「乳がん後の人生」については、 あまり広く知られていないのが現実です。 そんな中でよく聞くのが「乳房再建」ですが、

手術後に抗がん剤治療を続けると皮膚が伸びにくくなるそうで、 誰もが再建できるわけではないとのこと。 また再建しても定期的に中のシリコンを入れ替えねばならない、

シリコンによって新たながんになった、など課題も多いとか。

そこで生まれた乳がん後の選択肢の一つが「人工乳房」なのです。

こちらの会社で製作しているのは大きく

人工乳房、乳房パッド、人工乳頭の三種類。


人工乳房は、温泉に行きたい時など、特別な時用、

乳房パッドは普段使い用、

人工乳頭は再建&部分切除した方用、とのこと。 まず人工乳房ですが、まず石膏ボディ型を作って、左右反転させて粘土で成型し、

粘土を基にまた石膏で型を取り、何層にもシリコンを塗り重ねて

作り上げていくそうです。

その皮膚の色、血管、ホクロまで本物にしか見えません! 触り心地もふっくら柔らか、再現力の高さに一堂びっくり!!

乳がんを経験した方は、その傷を人に見られたくない、

傷で周りをびっくりさせたくない、などの理由で

温泉に行くことができないそう。

でもこの人工乳房との出会いで

「孫と温泉に行く夢が叶った!」など喜ばれているとか。 実際に装着しているところも見せていただいたのですが、

つなぎ目も全く分からず、本物以外の何物でもありませんでした!

一方、乳房パッドは普段使い用で、 ブラジャーの中に装着します。

人に見せないのだから、別にパッドなしでもいいのでは、

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、

これにも重要な意味があるんです。

人間の体は「バランスを取ろう」という働きがあるそうで、

長い間、片胸でいると、乳房や内臓が真ん中に寄ってしまうのだそう。

実際、乳がんの方は「転びやすくて困っている」という方が

多いのだそうです。これには驚きました。 そんな状況を避けるためにも、普段はパッドを使って バランスを取る必要があるのだそうです。

この他、ここには書ききれませんがたくさんのことを教えていただきました!!

できることなら乳がんにはなりたくないですが、

もしもなってしまったとしても、

こんなにもリアルで精巧な人工乳房があるということ、

そしてこんなにも患者さんに寄り添ってくれるスタッフがいるということを知り、

乳がんが怖くなくなりました。

(もちろん検査も行きます)

参加したメンバーからも喜びの声が届いたのでご紹介します。 *あの緻密さは感動レベルで、今回も参加させていただいて本当に良かったです。

(MNさま) *乳がんをめぐる現状、人工乳房の製作から、林さんや三輪さんのライフヒストリーまで、

 すべてが勉強になることばかりで、参加できたこと嬉しく思います。

(RTさま) *人工乳房を必要としている人たちは、たくさんいると思います。

 私も、何人か、顔の浮かぶ友人がいます。

 良き形で、伝えられたらいいなと思いました。(高橋) *人工乳房の想像を絶する精巧さもさることながら、  林さん、三輪さんの思いに胸を打たれました。(佐藤) ブレストケア京都の林さん、三輪さん、 本当にありがとうございました!! Mウーマンネットの新規企画、また春頃に実施します!

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